③実践報告「NIE活動の今後の可能性についての所感」 報告者:磯貝純

報告者の勤務していた北海道札幌平岸高校は札幌において中堅の進学校であり、ほとんどの生徒が進学を希望し、実際に進学している。報告者は教員になってから新聞を色々な場面で使っていた(学級通信、ホームルーム、国語の授業など)のだが、学校ではなかなか活動の中に組み入れてもらえないという問題意識があった。そこで新聞の効果を試してみたいと思い、昨年度までの三年間実践を行った(三年目は実践指定校になっている)。

今回の報告は第一学年の「総合的な学習の時間」で行ったNIE活動(実践)についてである(全三回)。

第一回は、北海道新聞社の舩木理依氏を呼び講演していただいた。講演では、新聞の読み方(ざっくり読みなど)を生徒に向けて紹介するという内容であった。第二・三回は、生徒全員が北海道新聞(9月15日朝刊)を読み、そこから魅力的な記事を切り抜いて持参し、ワークシートに貼り付けコメントを記入するという作業を行った。実践を行った中で、同じ新聞を読んでも選ぶ記事が一人ひとり違ったことが明らかになり印象的であった。

また、実践を行ってみてわかったのは以下の二つである。

①生徒の中で新聞が縁遠くなっていたこと。

②新聞の提示の仕方次第では生徒も新聞を楽しめるということ。

「新聞ってこんなに楽しかったんだ」といった感想があったことからも新聞が生徒にとって身近な存在にないのだと実感させられた。ほかにも実践後、「今度おばあちゃんの家に行ったら読んでみよう」といった意見が出たことからも、新聞を雑誌感覚(月に一回読むといったような)で考えているのではないかと感じさせられた。家庭で新聞に触れる機会が少なくなっている以上、学校で子どもたちが新聞に触れる機会を増やしていくことがこれから大切なのではないか。